
院長:大矢お気軽にご相談ください!
親指の付け根がズキッと痛む。手首の親指側がうずく。場所が近いので「どっちも同じ腱鞘炎かな」と思いがちですが、実は痛みの正体がまったく違うことがあります。

よく混同されるのが母指CM関節症とドケルバン病です。どちらも親指まわりの痛みですが、傷んでいる組織も、痛みが出る動作も、なりやすい年代も違います。違いが分からないまま自己流でケアを続けると、かえって長引かせてしまうことも少なくありません。
この記事では、2つの違いを「場所・動作・年代」の3つの視点から整理します。ご自身の痛みがどちらに近いのか、確認しながら読んでみてください。







親指の痛みは「どこが」「どう動かすと」痛いかを分けて考えるだけで、ぐっと整理しやすくなりますよ
一番大きな違いは、どの組織に負担がかかっているかです。
母指CM関節症は、親指の付け根にある「CM関節(手根中手関節)」の軟骨がすり減り、関節そのものに炎症や変形が起こる状態です。いわば親指の付け根の“関節の摩耗”です。
ドケルバン病は、手首の親指側にある腱の通り道(腱鞘)で、親指を動かす2本の腱がこすれて炎症を起こす状態です。こちらは“腱鞘炎”の一種です。
関節の問題なのか、腱の問題なのか。ここを取り違えると、固定の仕方もストレッチの方向も変わってしまいます。まずはこの前提を押さえておきましょう。

親指を横に広げたとき、付け根の骨の出っ張りの少し手前(手のひら寄り)が痛むなら母指CM関節症、そこからさらに手首側の親指の縁が痛むならドケルバン病を疑います。距離にすると指1〜2本分ほどの差ですが、押して一番痛い場所を探すと違いが分かりやすくなります。
| 比較ポイント | 母指CM関節症 | ドケルバン病 |
|---|---|---|
| 痛む組織 | 親指の付け根の関節(軟骨) | 手首親指側の腱と腱鞘 |
| 押して痛い場所 | 親指の付け根(手のひら寄り) | 手首の親指側の骨の出っ張り付近 |
| 痛みが出やすい動作 | つまむ・ひねる・握る | 親指を広げる・手首を小指側へ倒す |
| 多い年代 | 40代以降、特に更年期前後の女性 | 妊娠・出産期、更年期の女性、手をよく使う方 |
| 進行すると | 付け根が出っ張る・親指が開きにくくなる | 腫れや熱感、動かすたびにきしむ感じ |
➡ ドケルバン病(手首の腱鞘炎)の症状と当院の施術についてはこちら

CM関節は、物をつまんだり握ったりするたびに指先にかけた力の何倍もの圧力が集中する関節です。ペットボトルのふたを開ける、洗濯ばさみをつまむ、鍵を回すといった“力を込めてねじる動作”で痛みが出やすいのが特徴です。
初期は使い始めや使い終わりに違和感がある程度ですが、進むと親指の付け根がポコッと出っ張る、親指が開きにくくなる、ボタンの留め外しや字を書くのがつらいといった変化が出てきます。
ドケルバン病は、腱が狭いトンネルの中で繰り返しこすれることで起こります。赤ちゃんを抱き上げる、スマホを片手で操作する、フライパンを持つなど、親指を広げたまま手首に力が入る動作で痛みが強くなります。
手首の親指側がふっくら腫れたり、動かすたびにギシギシときしむような感覚があったりするのもよく見られるサインです。
あくまで目安ですが、次のような確認で傾向をつかむことができます。
ただし、炎症が強い時期に何度も試すと悪化させる原因になります。痛みを確かめるのは1回だけ、ゆっくり行う程度にとどめてください。また、しびれを伴う、転んだ後から痛い、腫れや熱感が強いといった場合は、骨折や別の病気の可能性もあるため、まず医療機関で確認を受けましょう。
母指CM関節症は、軟骨のすり減りが背景にあるため40代以降、特に更年期前後の女性に多く見られます。女性ホルモンの減少が関節や腱の状態に影響すると考えられており、「最近急に親指が痛くなってきた」という50代前後の方は特に要注意です。
一方ドケルバン病は、年代よりも「手の使い方」の影響が大きいのが特徴です。産前産後のお母さん、スマホやパソコン作業が多い方、美容師・調理師など手を酷使するお仕事の方に多く、20〜30代でもよく起こります。






若い方ならドケルバン病、40代以降でじわじわ悪化してきたならCM関節症、というのがひとつの目安です。ただ、年代だけで決めつけないことも大切です
臨床では、どちらか一方だけではなく、両方の要素が重なっている方も少なくありません。CM関節が痛いのをかばって手首の使い方が変わり、その結果として腱にも負担がかかる、という流れです。
さらに、親指まわりの痛みにはバネ指、手根管症候群、TFCC損傷など、似た症状が他にもあります。「どれか1つ」と決めつけず、全体を評価することが早く良くなるための近道です。
セルフケア自体は大切ですが、原因と状態が分かったうえで行うからこそ効果が出ます。方向を間違えると、努力しているのに治らない…という状態に陥りがちです。
当院では、親指が痛いからといって親指だけを施術することはしません。関節の動き、腱の滑り、手首や前腕の筋肉の状態に加え、肘・肩・姿勢まで含めて、なぜ親指に負担が集中しているのかを検査で確認します。
そのうえで、母指CM関節症の要素が強ければ関節の動きを、ドケルバン病の要素が強ければ腱の通り道にかかる負担を中心にアプローチします。20年以上の臨床経験を持つ院長が、検査から施術まで最後まで一貫して担当しますので、状態の変化を細かく追いながら進められます。
家事や育児、お仕事での手の使い方や、ご自宅で続けやすいケアの方法も、一人ひとりの生活に合わせてお伝えしています。
母指CM関節症とドケルバン病は、知識として違いを知っていても、「自分の痛みがどちらか」を判断するのは難しいものです。そして、どちらも我慢して使い続けるほど長引きやすくなります。
「どっちか分からない」という段階こそ、相談するベストタイミングです。親指の痛みで毎日の家事や育児、お仕事がつらくなっている方は、一人で抱え込まずにおおや整骨院・入間本院へご相談ください。






原因がはっきりすれば、やるべきことも明確になります。一緒に整理していきましょう!